1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | TOTAL | |
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保土ヶ谷ベアーズ | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | - | 4 |
鎌谷クラブ | 1 | 3 | 0 | 0 | 0 | 2 | X | - | 6 |
三)たかよし
左)たくみ
一)しゅう
捕)たつま
投)たつき
右)あきら
遊)しょうじろう
二)りゅうた
中)ゆうき
途中交代 りゅうた→つき
バッテリー
たつき(7回、110球、2安打4失点、四死5、3K)-たつま
1回表、保土ヶ谷熊軍の攻撃は先頭打者の2ベースで幕を開けた。三ゴロ一塁転送悪送球の間に1点を奪われるも仲間のミスをカバーしたのはたつま。三盗をぶっ刺してピンチを防ぐ
最少失点ならカバーは出来る!
鎌谷は1回裏、たかよし凡退後、たくみ四球、しゅう右中間2ベースと4年生コンビで一気に同点においつく。
追いついてもらったたつきは2回、たかよし、たつまの攻守で四球を出すも11球、三者凡退に抑える。
テンポ良い投球は攻撃の最良のソースや!
2回裏、新チームになってから打撃で結果を出せていないしょうじろうから
練習では良い当たりをバカスカ打つが試合で結果が出ていない。好球を見逃し、追い込まれてから難しい球を打つ傾向にあった。
「早打ちはチームバッティングではない」
その意識がしょうじろうの試合での打撃を狂わせていた
「お前のミートポイントはどこだ?カウントはいい。好きな球が来たら思い切りだ。低いと思ったらいっそすくい上げてはじき返してみろ!」
7番でいいのか?おまえは中心打者に!という監督のゲキにしょうじろうはうなずいた。
思うさま振り抜く
しょうじろうに三遊間をあっと言う間に切り裂くレフト前が出た!
つづくはりゅうた。午前の試合はふがいない打撃と守備で途中交代を命じられた。
俺の生きる道、、
チームの力になる方法、、
絶妙なバントが一塁線に転がりこれが内野安打に。
ノーアウト1,3塁、9番ゆうき
ヒットはなかなか出ないがバントのセンスは◎。監督は2ストライクからストライクバントを指示。ゆうき、確実なバントを決めてしょうじろうが生還!
各々が持ち味でチームに貢献する。
続くはりゅうたを3塁においてたかよし
「最低限、最低限、、、ヒットで出てくれたりゅうたを返す!」
三塁内野安打!りゅうた生還!
二盗を決めたたかよしを二塁において続くはたくみ
前の試合、バントヒットを狙うも投手前に転がして憤死した経験を即活かした!
絶妙のバントヒット!相手がもたもたする間にたかよしが一気にホーム生還!
監督の指示にしっかり応えて、つないでつないで下位打線から3点を奪って、、
突き放した!
3回は両チーム無得点で迎えた4回表、熊軍が反撃だ
先頭3番のライトへの当たり、初動が遅れたあきらがライチゴロを狙うも悪送球
4番に四球でピンチを拡大すると5番遊ゴロの間に1点を献上
「なんとか最少失点で、、」たつき6番を空振り三振に打ちとる!これで2アウト
しかし7番に痛打を浴びる!センターオーバータイムリーで2点目も奪われるこれで4-3
試合は後半へ
3回、4回、5回と0行進の鎌谷軍 1点リードでは不安だが、まだ目は死んでいなかった
6回
あきら凡退で一死無走者から7番しょうじろう
「ミートポイントを確認して、いい球だと思えば行け!」
もうしょうじろうには解っていた。
カウント1ストライクからの2球目、振り抜く
1打席目のリプレイのようなレフト前!
しょうじろう覚醒!
1点リードから突き放したい、ここでベンチは代打つきを選択。
しょうじろうの二盗、三盗を助けてカウントはワンボールツーストライク
「バットを短く持って鋭くセンター中心にはじき返す、つきはそれが得意」監督の選択につきが応える!鮮やかなライト前タイムリー、貴重な追加点が入る!相手ミスで二塁も一気に奪った!
代打策、嵌まる!
つきの活躍にゆうきが続く。1打席目のストライクバントから進化させて今度は文句なしの一塁線バントヒットをかます!ワンアウト1,3塁!
続くはキャプテンたかよし
「ヒットも打率もどうだっていい。チームが勝つ、チームに貢献する、俺たちはそれだけで行こう!」
午前の試合後ミーティングで吠えたキャプテンは監督に指示を仰ぐ
たかよし「スクイズ行きますか?」
監督「おまえが考えて1点を取ってみろ!以上!」
この一言にニヤリとうなずいたたかよしが選んだのは、普段なら怒られても仕方のないくらいの「おもっくそ叩きつけるだけ」の一塁ゴロ!
バウンドが高い分、つきが悠々ホームイン、たかよしはとうぜん一塁憤死
しかしベンチは大騒ぎ!
「ナイスバッティング!」
「いいぞたかよし!」
仲間を返せた、監督に応えられた、アウトになってこんなにうれしいことはない!
ジワジワ追いつかれる試合展開で開眼しょうじろうのヒット、つきの代打ヒット、ゆうきのつなぎ、たかよしの自分を殺した一ゴロで貴重な2点を奪って
突き放した!
こうなれば最終回、1点はやっても良い、勝てばいい
そういう野球をやっていく
ここまで96球、6イニングを投げ抜いたたつきがマウンドへ
先頭に四球を与え、盗塁を許すも、セカンドゴロ、セカンドゴロで一つずつアウトを稼ぐ。
その間に1点を取られても気にしない。最後は二死無走者から4番をサードフライに打ち取り鎌谷軍、区大会ブロック初戦は勝利!
全選手がそれぞれの役割を果たした。試合中に修正も出来た。監督の指示通りの動きが出来た。
君たちはミスも多い、怒られもする。けれど役割を果たして、味方がつないでくれて、カバーしてくれる感覚を今日味わった。素晴らしいだろう。連勝、うれしいよな。
ホームランバッターもスーパーエースもいない。けれど勝てる。つないでつないで、仲間のミスは仲間がカバーする、そういう野球が君たちの野球や。
来週からも試合三昧や。全体練習は出来ない。でも個人個人が家で出来ることをやって、監督の目指す野球の駒になる。
あのな「駒になる」はけっしてマイナスの言葉やないで
君たちの特徴、良いところ悪いところを君たち自身よりも知っている監督が出す指示に応える。君たちが「勝ちたい」と思っている以上に君たちを勝たせたい監督の野球をやれば、アウトになってもチームの力になれる、それが解ってきただろう。
そうすれば「駒」が踊るんや。
いわれたままに動くのが駒だと思っているだろうが
駒が踊るんや
踊った駒は時に監督の想像以上の動きを見せることもある
その感覚を味わうことが、監督を驚かせて笑わせるのが、君たちの野球のゴールなんや。