1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | TOTAL | |
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鎌谷クラブ | 0 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | - | 4 |
吉岡サプリングス | 3 | 0 | 2 | 0 | 0 | 4 | X | - | 9 |
バッテリー ゆうのすけ、なおき、ゆうのすけ、なおきーひろき
投)ゆうのすけ
一)なおき
三)かえで
捕)ひろき
左)りょうた
二)アレックス
中)しょうじ
遊)かずき
右)けいた
(途中出場 かずき→たかよし)
1回表三者凡退の鎌谷
2番なおきは3球三振しかも見逃し。
好投手との闘いは「自分との闘い」や。「振るんだ!行くんだ!」監督の檄になおきは頷いた。
1回裏ゆうのすけ
先頭に四球!
先頭に四球!
盗塁も決められた。
2番を三振に抑えるも3番打者の打席でボーク
ここで迎えた強打者!サプリングス3番
打ち取った!
そう思ったセンターへの飛球がりょうたしょうじの間にポトン!
これで先制点
「死んでも獲る!」打球を追いすぎたりょうた、しょうじ、結果的に落ちたボールをカバーする選手は誰もいなかった。さらに4番に四球、盗塁でワンアウト2,3塁
ここで相手5番をサードゴロに打ち取るも1塁転送間に2者が生還。隙のない野球で2点追加
打たれた気がしないのに3失点
しかしこれが本当に強いチームの野球だ
しかし失うものは何もない鎌谷軍、今日の選手の目は死んでいなかった。
2回表
4番ひろきが初球をレフト前にしばき返す!
「初球から行くかどうか」4番ひろきの選択は間違っていなかった!
5番りょうた、サードゴロも相手三塁手がエラー、ひろき三進でノーアウト1,3塁
アレックス、結果的に送りバントでワンアウト2、3塁
7番しょうじの打席で相手ボークでひろき生還!(しょうじはひっそり三球三振でツーアウト)
ここで8番かずき、もうお前にはこれしかない!謎の力で四球!
ツーアウト2、3塁で9番けいたさん
思うさまひっぱるか、流すか、、 「流した!」
サプリングス対策で土曜日にFコーチの剛速球を練習で打ち込んだ鎌谷軍、けいたは練習でも流し打ちをしっかり頭に入れていた。
それが、試合で、出た。
鎌谷は3失点直後に2点を返す。
2回裏、ゆうのすけは7,8,9番の下位打線をわずか9球で仕留める。投球で流れを持ってこさせようというゆうのすけの意地が、2つのサードゴロを軽快に、気迫を込めてさばいたかえでの意地が伝わる。
3回表、先頭はなおき
初回、三球三振に倒れたなおき、この打席も2球でツーストライクと追い込まれる。
「外角、内角を流したり引っ張ったりは色々考えてやっています。でもど真ん中、タイミングもばっちりだとどこに飛ばせば良いかわかりません」
「色んな考え方があるけど、野球の基本はセンター返しと俺は思う。投球はお前の真っ正面から来る。バットを軌道に垂直に出せば投手の顔面に飛ぶ。ど真ん中、絶好球ならピッチャーの顔面か足元や。俺はそう思うな」
前日のなおきとの会話。真面目で野球を探求するなおき、あの短い会話の後、首をひねりながら素振りでスイングを確認していたなおき
「今日、なおきにセンター前が1本出たら俺はうれしいな」そう思っていた。
3対2、どうしても先頭に出て欲しいイニングの先頭、なおきの打球は「美しく」センターにはじき返された。ど真ん中だったのか、タイミングもばっちりだったのかどうかはベンチからは見えない。けれど、まさにはじき返した見事な一打!
先頭は出たが、かえで捕飛、ひろき遊ゴロで2アウト2塁
ここでりょうた
リトルジャイアンツ戦、平戸戦、リトルウイング戦、、
強豪相手の試合では、かならずどでかい一発をぶちかましてきたりょうた
今日も出る、俺はそう思っていた。
県下に名を轟かす好投手から左中間を破るタイムリーツーベース!なおき生還!同点!
3-3!
しかし3回裏
先頭1番に内野安打を許すと3番、5番にタイムリーを浴びて2失点。4,5回鎌谷は簡単に三者凡退、ゆうのすけも熱投。4回は三者凡退にねじ伏せる
突き放しにかかりたいサプリングスは5回裏
先頭がライト前で出ると盗塁と2番のゴロでワンアウト3塁。1番が出て2番で進塁させ、3番が返す、、この王道サプリングス打線よ、、
しかし綾瀬まで来てこのままやられてたまるか!とベンチも動く
2打席連続ツーベースの相手3番左打者に鎌谷は左腕なおきをぶつける!
なおき、強打者を投飛に打ち取る!ゆうのすけ再登板で後続を打ち取る!
ワンアウト3塁のピンチを「葛西ー遠山ー葛西」ばりの執念の継投でしのいだ!
これは
猛虎魂!
しかし6回裏
ゆうのすけ、先頭6番を四球で出すと2回、4回はサードゴロと三振で完全に抑えていた7,8,9番相手にヒット、死球、押し出し四球を与える。さらにいままで抑えてきた2番打者にも押し出し四球、先ほどは成功した「ゆうのーなおき」継投も2度目は通用せず3番にとどめのタイムリーツーベースを浴びてこの回4失点
9-3
もう反撃の力は残っていないか、もう鎌谷の野球は出来ないか、、
鎌谷の野球、、、
鎌谷の野球?
「ランナーが出てかえでが返す」
それが俺たちの野球、、
最終回、先頭は途中出場のたかよし
レフトもライトもほぼ内野定位置あたり、内野は前進守備、、
このちびちゃん、軽く抑えるでの陣形!
「鼻っから四球狙い。あの場面、俺は出て返してもらうことしか考えてないから」と四球を選択!
けいたさん、なぞの初球キャッチャーフライでワンアウト
ゆうの遊ゴロでツーアウト
ここでなおき
今日は2三振とセンター前、意地を見せたい。そして、かえでに回したい
ショートの頭上を三遊亭の打球が超えていく!
三遊亭直兄、意地のレフト前
「かえでに回す、それが鎌谷」
1年間そうしてやって来たんだ
最終回ツーアウト1,3塁、凡退したら終わり。バッターかえで
「かえでは初球行く、意地のタイムリーが出てたかよしが戻る」
俺はそう思った
だって
いつもそうだったから
苦しいときもうまくいかないときも最近はあったけれど
俺たちはいつだってそうだったから
ランナーに出たらかえでがみんなを帰す
俺ら、ずっとそうやって野球やってきたんや
かえで、初球をしばき返す
レフト前タイムリー、たかよし生還、なおき三進
しかし追撃のひろき初球攻撃は三ゴロに終わり試合終了
強豪相手に前半は良い勝負が出来た
意地は見せた
でもサインミスもあったし、捕れた打球もアウトもいくつかあったかもしれない
6番から9番は6回まで完全に抑えていたゆうのすけが6回、先頭6番から四球、安打、死球、四球
ここがターニングポイントだった。「或る1試合」とこの試合をみればそう言える。
だけれども、この強豪相手に堂々と立ち向かえるのはゆうのすけだけだ。平戸、ボンドス、、強豪相手にはゆうのすけでいった。負けはしたが唸らすことは出来た。
ゆうのが力投して負けた。悔いはない。ベイサイドカップ、たのしかったじゃねぇか。
君たちが鎌谷野球をできるのはあとほんの数試合
君たちと週末会えるのもあと数日
「あたりまえ」のことが当たり前じゃなくなる瞬間がこれから生きていると何度もあるよ
あと少しで、おにぎりこさえてもろて、宮中に集まって、車に乗ってワイワイと試合に行く、これが出来なくなるんだ
悲しくって
切なくって
やりきれない
でも、だからこそ美しい
そういうもんよ。おまえらにはまだわかんねぇだろうけど、おまえら、実は、今な、美しいで。
俺はとても美しいものを見ている。そう思って鎌谷に来ている