123456TOTAL
鎌谷クラブ00003-3
戸塚アイアンボンドズ22321X-10
修学旅行、ブヨ軍団の猛攻を受けての炎の4連戦
県小連は強敵アイアンボンドズ戦
なぁ、俺たちは輝いていたか
もう力は残っていなかったか
うつむけば涙がこぼれる
仰ぎ見ればまぶしくて目を開けられねぇ
6年生よ、最後の夏はもうきてるんやんか、、

バッテリー ゆうのすけ-かえで
先発
遊)たかよし
二)たつま
投)ゆうのすけ
捕)かえで
中)りょうた
右)なおき
一)たつき
三)かずき
左)けいた

 

「涙のしょっぱい味付けでパンを食った人間でなければ本当の人生に対するファイトは沸かない」byスタンハンセン

 

ゆうのすけ渾身のストレートを見事に振りぬくボンドズ打線

打球は面白いように右中間、左中間、三塁線を抜ける、、

ワイルドピッチ、パスボールのオンパレード、、

コールド狙いでねじ伏せにくるボンドズ野球、、

 

攻撃も4回まで何もできない、、

 

俺たちはどうして、「あとひとつ」を超えられないのか

相鉄沿線大会、YBBLの平戸イーグルス戦

そして県小連のアイアンボンドズ戦

 

たしかに強敵だ。でもどんなにトーナメントを勝ち上がっても「あとひとつ」で俺たちは勝てない。いや、勝てないじゃないな

 

おもっくそボロ負けするんや。

 

区大会ブロック決勝の仏向戦も完敗やったな。練習試合じゃいい試合やるやんか、相鉄では勝てたやんか

 

あと一つ、これを勝てない、いや、いい勝負にも持っていけない

 

 

 

原因は君たちが考えるしかない。

 

 

涙のしょっぱい味付けのパン、、

 

食うのか、食わないのか

 

 

きみらな、「そうか、しょっぺぇ涙の塩味のパンを食わなくていいように必死で練習して試合に勝って笑おう!」

そう思ったか?そう思った奴は一歩前に出ろ!

 

 

 

俺な、それ「違う」おもうで。

 

 

 

 

 

平戸でもボンドズでも、良い野球、強い野球やっとるやつはな、お前らと違って

 

実は日々の練習で涙の塩味のパン食うとるんや。

 

同じ小学生や。けど彼らは厳しい練習とチーム内競争で毎週末、悔しくて泣いて、厳しい練習がつらくて泣いて涙の塩味くうとるわ。ちびるほど真剣に野球やっとる。

 

 

 

おまえら、試合に負けて泣くだけじゃ

あいつらは練習で泣いとる

 

 

その差が試合にでる

 

野球は正直や

 

 

 

 

ゆうのすけよ

「お前が打たれたら鎌谷はしかたがない」

皆がそう思った。左手も万全ではなかった

 

けれど、それじゃぁ切なくないか

 

例えば高校野球、1人ずば抜けた投手がいたら県大会でも甲子園でもどんどん勝ち上がる

そんなチームは毎年いくつもある。

 

野球は9人、ベンチいれても20人弱でやるチームスポーツだ。けれど1人突出した投手がいればあほほど勝てる不思議なスポーツや。

 

プロ野球でも年間通して1人「絶対エース」がいたら優勝、そんなんいくらでもある。年間143試合やっとるなか、エースが投げる試合はたった25試合くらいだ。

1,2軍併せて70人のチームでやるスポーツやぞ

100試合以上そいつは出ていないんや

それでも「エース」がいたらチームは優勝する。

 

野球はそういうスポーツや。

 

お前が打たれたらしかたない

俺はそう思っていないぞ。

 

 

かえでよ

おまえがあきらめかけたこの試合、コールド負けが見えた5回表

ワンアウトランナーなしからたかよしとたつまの5年生が四球を選んだ。

 

あいつら打ちにいかなかったぞ

「死んでも塁に出る、コールドなるものか!」

気迫で四球を拾った

 

結果、かえでとりょうたが2人を返して意地を見せたよな

 

 

 

なんでや

 

「かえで君にまわす。それが鎌谷」

 

あいつらいつもそう言っとるぞ。あいつらの信じる野球がそれなんや

 

試合中おまえが弱音をはいて下を向いても、ふてくされた空気を出しても

おまえをひたすら信じてついて行く仲間がいる

 

ランナー返す仕事以上にお前は色々背負っている。

 

四球を拾って一塁に駆けていく5年生二人の小さい背中、お前はみていたか

あの野球バカコンビの2人、お前を信じているんや。

 

 

あとひとつ、あと一歩

 

けいた、りょうた、しょうじ

どうして打球はお前たちの追った一歩先をほんの少し頭の上をあざ笑うかのように越えていくんだろうな

 

どうして詰まったあたりがおまえたちの1歩手前にポテンと落ちるんだ

 

どうしてグラブに触った打球が地面に落ちるんだ

 

あと一歩

 

 

けいた、飛んでみろ

届かなくてもなおきが全力疾走でカバーに入ってくれる

 

しょうじ、センターゴロ行けると思ったら全力で一塁に投げてみろ

おまえが本当に刺したい、チームにためにアウトを取りたいと思って投げたらたつきが死んでも取ってくれる

 

りょうた、お前にはホームラン打ってもタイムリー打っても100点はやらん。ダイビングキャッチしても良い守備見せても100点はやらん

7番に下げられて、まずい守備で途中交代させられて

おまえはそんなもんか。しばくぞ!

 

 

 

暑くなってきたな、ということは、お前らの少年野球人生は終わりに近づいてきたということだ

 

おい!

 

 

涙のしょっぱい味付けのパン

 

ドブスOLの差し入れのクソ甘いシュークリーム

 

おまえらが喰うのはどっちや!